東京都新宿区立西新宿小学校
子どもたちの苦手やディスレクシアの傾向に
早く気づいて、なんとかサポートしたい
今回のテストに参加したいと手を挙げたのは、支援が必要かな?ディスレクシアの傾向があるかな?と気になっている子の苦手を知りたいという思いからです。身内が特別支援の教員なので、私自身もともと特別支援に関心が高かったこともあり希望しました。3年生は2クラスとも参加できてよかったです。その子の苦手を具体的に知り、支援の方法を知りたいと考えていたので、こういったディスレクシアチェックアプリでも分かるんだ!と驚きました。専門家の検査を受けると数値で結果が明白になってしまうものなので、その前段階として、アプリでチェックできるのっていいですね。家で気軽にチェックできるというのも、専門機関に行くのは怖いという保護者のハードルが少し下がるのではないかと思います。
日常的に学習面で子どもたちが困っている様子を見ているので、なんとかサポートしたいと思っています。気になる子には、発達検査を受けてみたらどうですか?と提案をしたい気持ちがありますが、それを保護者に相談すると、人によっては「先生、うちの子をそういうふうに見ているんですか?」と思われてしまうことがあります。子どもたちの困難を、私ができることから手助けしていきたいという思いしかないので、積極的に特別支援教室などにつなげたいわけではないのですが、その気持ちがうまく伝わらないこともあります。発達障害やディスレクシアを含む学習障害はみんな一緒くたにされていることが多く、正しく理解されてないですね。10年前に比べると、学校現場では、合理的配慮が言われるようになってから、理解は進んでいると感じます。
先生たちが行っている合理的配慮については、子どもたちと面談の中で話題にすることがあります。「先生はメガネがないと全く見えないからメガネをかけているよ。それは、教科書を読むために必要だからつけているもの。」というように説明すると、よく理解してくれます。特別支援の「まなびの教室」へ行っている子どもたちも、自分はここが苦手だから、そこに向き合っていると理解していて、この学年には差別や偏見はあまりないですね。
以前は、自身が恥ずかしいと思ったり、気が引ける、自信をなくすということもありましたが、今は、自分から苦手をなんとかしたいと思って「まなびの教室」へ行きたい。という子も多いので、そういう雰囲気はとてもいいと思います。
今回のディスレクシアチェックアプリの結果は、
見立ての一つの材料となり、支援につなげやすくなった
結果を学年で見たところ、教員の中で気になっていた子どもたちに、ディスレクシアの傾向が顕著に出ていました。サポートが必要だと確信する材料となり、手助けしやすくなりました。もう、具体的に支援も始めています。音読をする前に、「指で追って読んでいいよ」「ゆっくり読んでごらん」など、その子がやりやすい方法で読めるように、そっと声かけをしています。
このディスレクシアチェックがきっかけかは分からないのですが、最近自分から、特別支援の「まなびの教室に行きたい」と言い出した子がいました。読み書きが苦手で、どうしても書けないと思っていたようで、自分から親に話してくれたんです。本人は、特別支援への偏見はないようで、「苦手だから学びの教室へ行きたい」と言ってくれたので、保護者からも「特別支援が必要でしょうか?」とこちらにも連絡がきて、特別支援につなげることがとてもスムーズでした。
このディスレクシアチェックは、問題ごとに時間制限があるので、終わる時間がまわりより大きく遅れるということはありませんが、自分がまわりより少し遅いと「苦手かもしれない」と気付けるかもしれません。このディスレクシアチェックアプリを自分でやってみて、苦手かな?と思ったら、先生や親に相談してくれたらいいなと思います。